【藤木BLOG】「利益」は“意見”、「現金」は“事実”
2005年から2016年までWISDOMブログで「企画書は早朝書こう日記」というブログを投稿し続けていました。過去記事はおいおい上げていきますが、新しい投稿をこちらで続けていきたいと思います。よろしくお願いします。
起業しようと志す若い人たちを見てると、素直にいいなあと思います。自由な発想で、オープンで。我々と違ったビジネスの世界を切り拓いていくのだと思います。しかし、「何だか抜け落ちているなあ、大丈夫か」と思うこともあります。
それは「資金繰り」のことです。何をするにしても、お金のことは必須です。しかも、会計知識ではなくて、現金がショートしないよういつも管理する能力のことです。
帳簿上「利益」が出ていても、手元に「現金」がなくて窮してしまうという話は 珍しくもなんともないです。25日になったら従業員に給与を払わなくてはならないですし、月末になったら、事務所の家賃も、外注さんへの支払いも行わなく てはならない。社会保険料も源泉徴収税も支払わなくてはならない。時期が来たら、消費税や県民税、利益が出ていればそれにかかる税も納めなくてはならな い。電気代や通信費、色んなもののリースも支払わなくてはならない。会社を作るということは、とにかく「お金を払うこと」だと思ってもいいぐらいです。
その支払い時に現金がないと困ります。とくに、従業員の給与や外注への支払いはまったなしです。
偉そうに書いていますが、自分も税金を払えなくて、税務署に「分割にしてくれないか」と頼みに言ったことがあります。若い担当官に「国民の義務ですよ」と言われましたね。従業員に払うボーナスを工面するために銀行に融資を申し込んだりもしましたが、案の定、後で自分の首を 絞めることになりました。
自分はうまくやれなかった口ですが、これから起業しようというみなさんは、とにかく「資金繰り表」をつくり、キャッシュが不足しないよう、少なくとも三ヶ月先ぐらいまではしっかり予測できるよう、管理することをおすすめします。色んなテンプレート落ちていますし、自分でExcelで作っても良いでしょう。
「利益」は“意見”、「現金」は“事実”と いう言葉があります。現金こそ動かしようのない事実です。「半年先にこれだけ売上があるから」「このビジネスモデルは投資を呼び込めるから」。そんなこ と、何にも関係ありません。現金が回らなくなったらお終いです。そういうことを起業スクールなどでちゃんと教えているのでしょうか? であれば自分の杞憂 ですが、教えられたからといって、自分で経験してみないとわからないことでもあります。くどいようですが、「資金繰り表」作りましょう。